| 彼との10年間の結婚生活は素朴で純粋で、私は心の傷も名誉欲も財欲もウロコが落ちるように、ぱらっーと取れた。清々しい人間の原型に戻ったような気持ちだった。四柱推命によれば、ギルとの相性は、「財運を全部失って、愛を取る」か、「財運を失いたくなかったらギルと一緒になってはいけない」と出ていた。私は、一度死んだ身だし、財産なんて天国に持って行けないから・・・と「愛」をとった。破産しましたけどね。{笑い}。でも、ほんとに幸福だった。  そんな訳で、この四柱推命は、私の場合、大変役に立った。でも、運が向いている時には、なまじっか見ない方がいいと思う。悪いことをきくと、人間は動揺しやすいから。何か本当に困った時、何時、如何に切り抜けることが出きるか、という前向き利用にすれば、大変参考になると思う。従来の日本の占星術は、暗いイメージを相手に与えて、恐怖に引きずり込む傾向があった。そうではなく、ちょうどカレンダーをみて「あーそうか、何月頃から冬が来るな、じゃ、ぼちぼち冬支度をしようか」と心の準備をし、冬がくれば、必ず人生の春もくるわけだから、決して焦らず、まてば安全なのです。  ――なるほど、でも来年から、あなたの人生は最悪ですよと四柱推命で出たら、えっーどうしようとかなり落ち込みますよね。
 
 トシコ・ムトー さん でもね、必ず正しい抜け道があるんですよ。例えば、この時期はお金の星が回ってこないから金儲けに走らないで、バケーションに使ったり、勉強にエネルギーを費やしたり、ボランティア精神の姿勢なら大安全、とか。俗にいう「空亡」の時期は冬だと考えれば、そんな時は、慌てて種をまいても、凍死して、芽は何も出ない。春になれば、こちらが忘れていても、芽が吹き出し、花が咲きだします。だから正しいサイクルを納得すれば、全然怖いことなど何にもない。
 ――成功に必要な要素を集約すると?
 
 トシコ・ムトー 
                                さん 一に健康、二に健康、三、四に健康。
 
                              健康であれば、頭脳も体も正常だから、正常な発想が出来る。   健康であれば、発想したことを、実行できる。   健康であれば、実行を続行できる。だから成功する。  ――健康をキープするのは何が大切なんでしょうか?
 
 トシコ・ムトー さん 私の場合は、絶対に、十分な睡眠。お腹が空いたら食べること。それと太陽に当たること。だから、旅行先で印象に残っているのは、ギリシャとかキューバとかエジプトとか。
 ――えっ、いつエジプトに行かれたんですか?
 
 トシコ・ムトー 
                                さん アメリカに渡る以前の25歳の時。本当はヨーロッパに行く予定だったんですが、昔はパンナムでヨーロッパに行くにはベイルートで一度給油があった。そのベイルートで飛行機のドアが開いた瞬間に、パッーアと目の前にそれこそトルコブルーの真っ青な空が飛び込んできた。想像では得られない明るく美しい色だった。それを見た瞬間にヨーロッパが頭からパッーと消えてしまった。ベイルートからエジプトに入り、この土地に骨を埋めようと思った。アラビア人の柔道家と恋に落ち、婚約しそうになったので、滞在が長くなるから、ビザを変更する為に日本領事館にいった途端に、「あー、来たぞー」といって捕まっちゃった。日本じゃ私の捜索令状が、外務省、パンナム、日赤からでていて、「今すぐ日本に帰ってください。そうでなければ、強制送還になります。」と言われた。私はハンドバッグだけつかみ、荷物は全部エジプトのカイロに残し、「必ず帰って来ますからねー」と、空港でぼろぼろ泣いた。エジプトの大きな柔道家たちが、「一度ナイルの水を見た者は、必ず、また戻ってくる」という民謡を歌って見送ってくれた。その直後に、中東戦争が勃発した。
 ――私はトシコサンほどの行動力をみんな持ってないと思うんですよね。ディズニー社で働きたいからディズニー邸に住んじゃうとかね。例えば、カンザスまでインタビューにいっちゃうとかね。みんな多分頭の中では考えているけど、飛行機にのるまでには行かないと思うんですよね。だから、それが実際行動を起こしてやる人とやら無い人の違いだと思うんですよね。それが、後々大きな差になっていくんだと思うんです。それでは、絵を描く上でいつも気をつけていることはどんなことですか?
 
 トシコ・ムトー さん 20代、30代というのは思った時に、もう既に行動になっていた。私は猪年でB型なので。B型というのは、「豚もおだてりゃ木に登る」というくらい、褒められるとほいほい行動してしまう。だから、嘘でもいいから褒められたほうがいいんです。だから褒めてくれる人とはうまく行くけど、けなす人とは自然に離れていくようです。
 ――でもその方がいいですよ。ネガティブエナジーを持った人からは、よい影響を受けないから、出来るだけ離れていったほうがいいですよ。自分の環境作りというのも、とても大切だと思うんですよね。
 
 トシコ・ムトー さん いい気分、いい思い出、いい音楽が大切。私はジョージ・ガーシュイン(George 
                          Gershwin)(1898~1937)とか、スペインの音楽、バレンシア地方のギター、カルロス・モントーヤなどが好き。
 ――デイズ二―やハナバベラなど、社風とかは、それぞれどんな感じでしたか?
 
 トシコ・ムトー さん ハナバベラにいる時は、映画やテレビ関係の人の出入りが多くて、毎週{毎日?}のようにパーティー三昧で、私はアメリカにパーティーをしにきたのだろうかと思った位。(笑)。
 ディズニー社の名物は、ウォルト・ディズニー氏が朝の7時に社員カフェテリアで朝食を取り、社員はだれでも重役、下っ端、関係なく、ディズニー氏と直で意見の交換をすることが出来たそうです。その頃の習慣が残っていて、みんな朝が早く、帰りは4時に退社していたワーナーブラザースに乗っ取られる以前のディズニーは、仕事をすること自体がほんとに楽しくて、それ自体が私にとっては勉強であり、パーティーであり、生活でした。偉い方たちは、みんな穏やかで、博学で人間が出来ていて、礼儀正しかった。夢みたいな会社だった。  ――人生における3人の影響者は?
 
 トシコ・ムトー 
                                さん
 哲学的影響  
                            体温のぬくもり的影響  仏陀  「幸福とは苦労の無いことではなく、苦労を苦労と感じないことである。」 キリスト 「艱難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生みだす。」 御守護神様「強い信念と善意による愛と真心をもって歩むならば、必ず真の救いが得られる。」  
                            ジョン      「3~4才の頃の親友。野生の雑種犬。私に動物的直感を植え付けてくれた。」 祖母{母の母}「夫が相場に手を出し倒産。育ち盛りの子供4人をかかえて、針と糸の行商を始め、後に北九州一の京染め呉服店を築く。104歳で他界。成せば成るの人。」 母       「70歳で夫{私の父}が他界後、パステル画を習い始め、77歳に東京渋谷で最初の個展。91歳にフランスのパリで個展。作品の1点をフランスのジャック・シラク大統領に贈呈。大統領より感謝状をいただく。決して焦らず、毎日最善を尽くす人。」  ――これからアメリカに飛び出そうと考えている人へのアドバイスをお願いします・
 
 トシコ・ムトー さん どんな欠点だらけの人でも、何か一ついいところがあるわけです。それを信じて、表に出すこと。アメリカ人というのは、とっても正直に、出すと受け入れてくれます。おじおじしたり、怖がるとダメ。自信をもって話すと受け入れてくれます。
 ――アメリカに馴染む秘訣は?
 
 トシコ・ムトー さん  人を褒める。嘘をつく必要はない。どんな人でも良いところはあるので、それを褒める。お互いに嬉しくなって、どんどんドアが開いていく。ブスな人でも、上から下まで眺めれば、素敵なサンダルをはいている。それを褒めてあげる。よれよれのシャツを着た青年でも、TATOOがすごかったらそれを褒めてあげる。自分自身に対しても頻繁にいろんな角度から褒めて上げる。
 ――なるほど、英語が母国語でない日本人にとって、会話の切り出しにはそれはすばらしいことですね。
 
 トシコ・ムトー さん 人に褒められていやな人は一人もいない。ガン{銃}じゃなくて、褒めてあげることは、最高の武器。
 ――アメリカに住んでいて、日本の良いとこ悪いとこがよくみえると思うんですよね。それに関してはどうですか?
 
 トシコ・ムトー さん アテネオリンピックでみたのですが、若い人たちの体つきは伸びやかですばらしい。それにみんないい目をしていて、生き生きと自信をもっている。
 ――これからアメリカに飛び出そうと考えている人へのアドバイスをお願いします・
 
 トシコ・ムトー さん どんな欠点だらけの人でも、何か一ついいところがあるわけですよね。それを信じて、表に出すことです。アメリカの人というのは、とっても正直に出すと受け入れてくれてます。おじおじしたり、怖がるとダメですが、自信をもって話すと受け入れてくれるんですよね。
 ――バブル崩壊後に日本では投身自殺者が過去最高で、窃盗や放火などの物騒な事件が多いですが。
 
 トシコ・ムトー さん 「平和」にたどり着く前の過程だと思う。9・11の世界貿易センター事件や、イラク戦争の惨事も、長い目でみれば中近東という世界が、やっと、西洋文化の世界の中に浮き彫りになってきて、これから、世界がひとつになる過程を、今たどっているのだと思う。日本でも昔、明治維新で2つのパワーが命がけでぶつかり合って、若者たちが信じる事のために命を失っていった。あの過程を通過したお陰で日本が一つになった。同様に、世界はかならず一つになると信じている。だから、今の日本は明治維新第2期のような感じ。いろんな人がいろんな事をしでかしながら、だんだん国が落ち着いていく。発展途上の時。傷ついたり、和解しながら違う文化の国と国が、やがて和合していく。その過程の時期だと思う。
 ――トシコさんが始終持ち歩いていた「太閤記」とは?
 
 トシコ・ムトー さん 私は、アメリカでゼロからスタートした。秀吉もそうだった。家が貧しく、自分自身を奴隷に売ったぐらいだときいている。そういう人があそこまで成功したのだから、私も生き延びられると信じた。
 ――座右の言葉は?
 
 トシコ・ムトー さん
 
                            「一に健康、二に健康、三、四に健康!」 「潮が満ちれば船は小指で動く」 「成るように成るがよろしく候」  ――アメリカで生きる人へのアドバイス
 
 トシコ・ムトー 
                                さん
 
                            自分の長所を自分で知ること。 自分の長所を好きになること 自分の長所に自信を持つこと 自分の長所を伸ばす{磨く}こと 自分の長所を相手に知らすこと 自分の長所をおおいに活用すること  ――未来の計画{抱負}は?
 
 トシコ・ムトー さん 四柱推命を英語で紹介したい。でも、私のライフパターンは恋愛でも仕事でも「ある日、突然何かが起こって、そのはずみで、全く予期しなかったことが、バババーーーーンと実現してしまう」というような事がよくあるので、現時点でも次に何が起こるのか予測出来ない。例えば、気がついたら沖縄あたりで絵本をこつこつ描いているかもしれないし。(笑)。今、現在、毎日、その時その時、最善を尽くしていれば、何が起こっても、受けて立てるから、それで良い。
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